本ブログでは、ヤギというものを広く知ることを目的としているので、いままでヤギのネガティブな面についてもたびたび取り上げてきました。
今日もそんなヤギのネガティブ面について紹介します。
また、今日の内容は尖閣諸島は日本固有の領土である、という前提で書いていますが、大した人数は読んでいないという前提で書いているものなので、意見や立場の異なる方が読むことを全く考慮に入れていません。
ですので、お互いが不幸にならないためにもまずこの前提に異議のある方は読まないでいただきたいです。
そのような立場の方と言い争いをするのも面倒くさいですし、別にそういう方を論破するつもりもないです。
あくまでもここでは領土問題についてや特定の国家等や個人や団体を批判や擁護することを全く目的としていませんし、そう言う事象に対しての主張などを批判も擁護もすることを目的としていません。
あくまでもヤギについての事実とそれに伴う事象を書きたいだけですのでその点はあらかじめ申し上げておきます。
と、前置きはここまでにいたしまして、今日のお話というのは尖閣諸島に住まうヤギについてです。
尖閣諸島というのは言うまでもなく、日本の領土として日本政府と大多数の日本国民が日本固有の領土と主張している沖縄県に即する島嶼であり、これに対して中国などが異議を唱え実力行使などをおこなっている、事実上の係争領土です。
そのような背景から、日本においてもこのような状況が表面化した時期から、国土防衛のためにとさまざまな行動をとっている人たちというものが存在します。
そのような行動の中には、上陸して何かの施設などを建設して実効支配していることを既成事実として強固なものにしたい、というものも多く含まれており、私設で灯台を建設するなどのことが過去に行われてきたようです。
しかしながら、尖閣問題というとテレビ等の報道やネットでの発言だけを見ている、という方も多いのではないかと思います。
そこではあまり触れられていない問題として、「ヤギによる環境破壊」という問題があるのですが、これもご存じない方も多いのではないかと思います。
これは、上陸した政治団体が持ち込んだヤギが、自然繁殖してしまい環境破壊を進めている、というものです。
なんでも1978年に上陸した人たちが、現地での非常食としてヤギを持ち込み、それをそのままにして帰ってきたために、それが野生化して島の植物を食べて繁殖しているということで、なんでも今では300頭を超えるくらいにまでなっているようです。
前にも紹介したように、ヤギは草を根こそぎ食べます。
しかも食べる草の種類もとても多いため、表土から草がなくなって流出などの地形への影響がかなり強く出ているというのです。
そして、植物がなくなれば、ほかの動物のえさがなくなります。
それにより、生態系の崩壊がかなり進んでいるのだそうです。
この島は、入植を行い日本人が住んでいた歴史があるとはいえ、もう何十年も前のお話です。
そのためかなりの間人の手が入っていないため、もともとが自然豊かな島であるところにこのことが重なり、かなりの自然が残されている島だったようです。
これが人為的に持ち込まれ、放置されたヤギによって破壊されているというのはなんともやりきれない思いになります。
この問題は以前、日本の国会でも問題として取り上げられたことがあるようです。
尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギ問題に関する質問主意書 (平成十三年三月一日提出 質問第三六号) – 衆議院
もともと自然に存在する動物がそこの生態系の中で絶対的な優越者となり、それまでの環境を変化させてしまう、というのはそれもひとつの自然の流れだと思います。
たとえそれによりほかの動植物が絶滅しても、またそのために当の動物までもが絶滅したとしても、それはそれで昔から繰り返されてきた地球のサイクルの一つではないかと思うわけです。
また、地形を変化させてしまう、というのもビーバーがダムを作る習性などのように、自然界に普通に存在する現象です。
ですが、人為的に持ち込んだ種が原因となってこのような環境破壊をおこし、環境破壊がよくないということになってその種が駆逐されるようなことっていうのは、あまりに身勝手な気がしてならないのです。
ヤギにとっては、好きで尖閣に移り住んだわけではないのです。
あくまで人間の身勝手で放り込まれて、そこでたくましく生き抜いたら駆逐される、とかなんかおかしいですよね。
ただ導入したからには責任もって最後まで面倒見てあげてほしい、と思うわけです。
もちろんこの考えにも賛否あるでしょう。
人間はすべてに優越する存在、という立場をとる人間にとっては、このような主張はまったくナンセンスでしょう。
また、政治的な意図を含む問題のため、問題解決のためには仕方がない、という立場の方もいると思います。
むしろ、これらの立場をとる方にとっては、私の主張など噴飯ものだと思うかもしれません。
この程度の環境破壊など何だというのだ、もっとひどいものがたくさんあるだろう、という主張も間違っていないと思います。
これらを否定する気はまったくありません。
私がここで言いたいことというのは、あくまでも
「勝手に持ち込まれて勝手に悪者とされるヤギがかわいそう」
それだけです。
ですので、ここでこのように考えるべきとか、このようにすべきというものを示す気は全くありません。
もちろん、政治的なものも環境についても自分なりの立場というものはありますが、それが絶対的価値観だとは思っていませんので押し付けは絶対にしたくないです。
ただ、これを見た人が、それで自分の考えというものがまだないのであれば、まずは考えてみてほしい、と思うだけなのです。
そのための材料になればそれでいいと思っています。
というわけで今日は尖閣諸島のヤギについてでした。