ヤギさんメーメー
このサイトではヤギについての情報などを集めています
ヤギについてもっと興味を持ってもらうことで
ヤギ好きが増えることと、ヤギの地位向上を目指しています

 
といいながら実態はヤギの雑学ブログとネタのサイトになってますが
これを読んで少しでもヤギに興味を持ってもらえればうれしいです

ヤギの飼育や生態についての専門的なサイトではありません。
ヤギ全般の雑学的なものとヤギネタについてを取り扱っています。
専門的な事項はできるだけリンクなどを貼るようにはしていますが
情報的にはまったく不足してると思いますのでご注意ください
 

5月10日はヤギの日

別にどこかが制定せてるわけでもないんですけどね。
ヤギ仲間の間では5/10はヤギの日ということになってます。
Goat=510だからです。
ただそれだけです。
多分広まりません。
でもいいんです。
言い続けますから。

でも、5月10日はヤギの日なんです。

5月10日はヤギの日

5月10日はヤギの日

商店街のヤギ

北海道には、当別町という街があります。
当別町は、札幌市の隣町です。

基本は農業基盤の小さな町ですが、札幌から近く電車も頻度運転されていることから、札幌のベッドタウン的な側面もあります。
また、北海道医療大学という大きな医療系の大学があることから、大学生の居住も多く、また札幌からの通学生も多い学園都市でもあります。
そのほかに、変わったところでいうと、田園地帯でのスローライフを意図した移住者などもいたりもしますし、北欧風の街並みで統一した新興住宅地の「スウェーデンヒルズ」なんて言う地区があったりします。

スウェーデンヒルズ(wikipedia)

そのほかにも奥地へ行くと当別ダムという新しいダムがあり、札幌圏広域にわたる新たな水源として今後活用されていくことになっていて、このあたりは秋には一面の紅葉で包まれるとても景色の良いところです。

当別ふくろう湖

いまはまだ知名度がそれほど高くはないですが、じわじわとその存在が知られるようになってきて、隠れた紅葉の名所にもなっていたりしますし、「道民の森」という広大な自然公園的な森林もあって、植物や地形などの「自然」(実際には人が手をくわえた緑や水や地形なので「自然」というのが適切かどうかはわかりませんが)資源が豊富な町です。

 

また、開拓期には、伊達家の分家(仙台の伊達家の一族と四国の宇和島藩の伊達家)が開拓を行った歴史があるため、北海道の地方の町としては珍しく古い建物などの街並みが今でも残っていたりします。
そのため、派手さはないものの北海道らしくない風情のある町となっています。

当別町(公式)
https://www.town.tobetsu.hokkaido.jp/

 

このように書くと、とても資源や産業も豊富で若者もいる賑やかな町のように思えますが、実際には町の中心部はとても静まり返っていて、街はずれの大学と、郊外を走る国道の交通量だけが多く、人口の減少は幸いにしてまだそれほどではないものの、典型的な過疎のイナカ町といっていいような町だったりするのです。

そのため、札幌から30分に1本のペースで6両編成の電車がくる駅のわりに駅前は閑散としていて、古くからの商店街もシャッター街になっています。

当別町中心部

当別町中心部



 

こんな商店街の中に、実はヤギがいます。

なんでも飼い主は、地元で会社をいくつもやっている方で、地元商店街の町おこしなどもやっているという方だということです。
街づくり事業を行っている施設の隣の狭い敷地にヤギが2頭いました。
この施設では時間限定で食事なども提供されているようです。
(訪問時はすでに閉店後の時間帯でしたのでお邪魔はできませんでした)

飼い主の方のインスタグラム

 

まわりをネットで囲った敷地には軽自動車が置いてあって、そこがヤギ小屋のかわりになっています。

訪問すると、クルマの中でヤギ2頭がお出迎えしてくれました。

 

どうやらこの2頭は親子らしいです。
黒色のほうが母親で「めい」、茶色のほうが息子で「むぎ」というそうです。

 

どうやら今年新たにヤギが1頭増えたようなのですが、このときはまだこの場所にはいなかったようです。
自宅の方にヤギ小屋があって冬場はそっちで過ごしていて、春になってこちらに移ってきたようです。
もう一頭はまだそっちにいるのかもしれません。

昨年はこの場所にも小屋が建っていたようですが、今年は小屋を建てずにクルマを小屋代わりにしているようです。
やはり小屋は冬場にも手入れしないといけないのでこちらのほうが楽なのかもしれないですね。

小屋代わりのクルマにはこのようなステッカーが貼られています。
昨年は、ヤギの名前を書いた掲示もあったようです。
また、ここのヤギは昨年この場所に着たようなのですが、名前がまだ決まっていない時期には名前募集ということで、名前を書くボードも現地には用意されていたようです。

 

敷地横の建物にはこのような壁画があってこれが目印になります。

 

敷地は橋のたもとになっていて、すぐ裏手には「パンケチュベシナイ川」という川が流れています。
ときどき川沿いの草を食べていたりするようです。

 

やっぱり高いところが好きなようです。
いくつか丸太が置かれていますが、やたら上ってそのうえで互いに頭突きしてました。

 

はっきりいってとってもかわいいです。
時間を忘れてかなり長居してしまいました。

ですが、場所は街中心商店街です。
人通りはほとんどいないのですが、比較的交通量のある道路の面したところなので、ハタから見ると不審者だったでしょう。
ですが、通りかかる車のひとたちは別にそこを見るでもなく、「なにしてるんだろ」という目で見るでもなく通り過ぎていきました。
おそらく、地元の方にとってはここにヤギがいるのはもう周知の事実なんだろうなと思います。

また、すぐ近くに小学校があることから、もしかすると下校最中の子供たちにとってはいい遊び場だったりするのかもしれませんね。

現地は広い歩道も整備された広い道路に面していますが、その周辺は当別町らしい北海道にしては珍しいとても狭い道路の商店街です。
ですが、現地から橋を渡った川の反対側には駐車可能なスペースがあります。
もし、見に行くのであれば電車で「石狩当別駅」で降りて5分ほど歩くか、または自家用車で訪問してこの場所に駐車することになるかと思います。


なお、駅前には農産物の即売などを行っている店があります。
それほど小きな店なため品ぞろえは決して良いとはいいがたいですが、かなり品のよい作物が出ている印象です。
また、郊外の国道バイパスにある道の駅の即売所はものすごい品ぞろえで、かなりいい野菜が安く手に入るため、いつ行っても混雑しています。

この当別町は、大きな武家が早いうちに開拓を始めたことからもわかるように、農業にはとても向いている場所だったようです。
隣町の新篠津村などになると、広大な水利の良い地勢でありながらも、乱流する石狩川と悪い土質のために、大規模な治水と客土を行わなくては農業が成り立たなかった、なんていう場所であることと比べると恵まれた場所だったのかもしれません。
今はさびれてしまったとはいえ、かつての繁栄の跡がうかがえる街並みを見るにつけ、とてもいい場所だったんだろうなあ、という気がしてなりません。

いまは大学と宅地で町としてはなんとかしているのかもしれませんが、街の中心部からいずれも離れているため、中心商店街は本当に厳しそうな印象です。
ですが、このようにできることから町おこしをしようとしている人が現地に存在することは、傍から見てもとっても希望を持ちたくなってきます。

当別町はおそらく道外の人には全く知られていない町だろうと思います。
駅名も「石狩当別」という名前で、もともとは道内に市町村名ではないものの「当別」を名乗る地名が存在するために、そこと区別するために石狩の名を冠されてしまった駅です。
そのため、近接する石狩市の駅と間違われてしまい、石狩市に行きたい人が間違えてここにきてしまう、ということが時々あると聞きます。

それを受けて、近いうちに駅名を「当別」に変えることが決まったということです。
隣接する「石狩太美」の駅も「太美」に変えるといいます。
これは、町内のビトエ地区にチョコレートなどの菓子で有名なロイズが大工場と見学施設などを付帯した観光施設をオープンさせることになったため、隣接して「ロイズタウン駅」という駅を来年(2022年)を開駅させることと連動して行うものだといいます。

このロイズタウン駅は、JR学園都市線の札幌市内の最終駅である「あいの里公園駅」から石狩川を渡ってすぐの場所に位置します。
札幌から近く交通の便もいい、というメリットを最大限に生かして街を盛り立てていこうという動きで、正直これほど恵まれた条件ってあまりないのだとは思いますが、それを最大限に生かそうという町の本気度がうかがえる話です。

このことは残念ながら街の中心商店街には直接の影響はでないと思います。
ですが、そうすることによって町の地盤沈下を抑えていくことで次の手が打てるようになるのであれば、それはそれでいいのではないかとも思えます。

札幌に住んで結構経ちますが、この当別町は街並みと言い自然といい農作物と言い、とても魅力ある街で、ついつい繰り返し訪問してしまう街です。
このロイズの政策も含め、コロ助でどのようになっていくのか心配なところではありますが、良い方向に向かっていってほしいものだと切に思います。

というわけで今日は「商店街のヤギ」と題して当別町についてでした。

メーメーやぎ改めプティシェーブル千歳イオン店

結構長い間空いてしまいました。

千歳のイオンにある「メーメーやぎ」が「プティシェーブル」に店名を変更し、店内のデザインなども一新されていました。

プティシェーブル千歳イオン店

プティシェーブル千歳イオン店

どうやら4/24に店名変更していたようです。

訪問した際には写真撮影が少し難しい感じだったので、写真は撮っていませんが、完全に以前のメーメーやぎの緑色モチーフの店内ではなく、プティシェーブルの水色モチーフに変わっていました。
置いてある商品も、すべて水色の新デザインになっていました。

チラシが店内に置かれていて、買い物をするとそのほかにパンフレットなども一緒に袋に入れてくれました。
写真がないので今回はそれをすべて載せておきます。

チラシの裏面

チラシの裏面

パンフ表面

パンフ表面

パンフ裏面

パンフ裏面

ショップカード表面

ショップカード表面

ショップカード裏面

ショップカード裏面

店内には、大通の店同様にグッズも陳列されていました。
以前焼き菓子が置いてあった一角がすべてグッズコーナーになっていて、クリアファイルや絵本、ボトル、マスキングテープなどが売り場の2面にわたって陳列されていました。

 

個人的には、もっとあちこちに出店してヤギミルクを広めてほしいものだとは思うんですが、果たしてこの先どうなることやら。
コロ助の影響がなければ、北海道の新たな名物としてもっと観光客の多く来る場所に出店、なんてことも本当は計画していたのではないかとか思ってしまいます。
なによりこの店のあるのが千歳市ですが、観光客がくるとは思えない立地です。
しかしすぐ近くには新千歳空港があります。新千歳空港は道内の有名なお店は一通りそろっているような激戦区なわけで、なんらかの意志を感じてしまうわけです。

でも、通販もはじまって販売量が増えているわけで、ヤギミルクは生産できる時期が限られるうえに量も少なく、一気に販売量を増やすことなどできない商材です。
なかなか拡大など簡単にはできるとは思えないのですが、一気に規模を拡大している状況を見るといろいろと妄想してしまいますね。

 

なんにせよ、開店直後でいまはローカルテレビなどでも取り上げられていて、話題性が出ています。
しかし、この話題性はいつまでも続くものではないです。
一過性のブームではなく、今の時期にどれだけ固定ファンをつかめるか、名物として名を売れるか、その勝負なんだろうなと思います。
幸いにして、最近はヤギミルクの有用性というものが少しずつですが知られるようになってきています。
じわじわとヤギの流れは来ていると思うんです。

ぜひとも定着して、末永く「有用なヤギ」を広めていってほしいものですね。

 

というわけで今日はヤギミルクのお店「メーメーやぎ 千歳イオン店」が「プティシェーブル」に店名変更したお話でした。

プティシェーブルのオンラインショップ

今まで何度も紹介してきました、札幌地下街オーロラタウンのヤギミルク専門店「プティシェーブル(Petite Chevre)」のオンラインショップが開設されていました。
どうやら昨日(4/16)のオープンしたようです。

プティシェーブル オンラインショップ

いまはヤギミルクだけの取り扱いとなっているようです。
プリンなどの生菓子は難しいとは思いますが、焼き菓子やチーズなどの取り扱いが増えることを期待したいですね。

あと個人的にはヤギミルクバターやヨーグルトもやってほしいなあ、なんて言ってみたり。

公式

プティ・シェーブル オーロラタウン店(公式サイト)

 

プティ・シェーブル – インスタグラム(公式アカウント)

 

プレオープン当日の様子(店内写真あり)
メーメーやぎ 改め Petite Chevreプレオープン速報(2021年3月16日)

 

系列店舗 メーメーやぎ 千歳イオン店の様子(店内写真あり)
メーメーやぎ千歳イオン店(2021年3月5日)

 

お店の地図

お店の地図(地下街全体図)

お店の地図

お店の地図(拡大)



 

以上、プティシェーブルさんのオンラインショップ開設の速報でした。

北海道のヤギ2

今回は先日の記事北海道のヤギの続きになります。

前回ご紹介した「トンデンファーム」の本社の方にも行ってきました。

 

ここは、江別市郊外にあり、基本はハムなどのトンデンファーム製品の直売店となっていて、そこに会社としての本社機能や食肉製品の製造工場もあり、そこにオマケのように動物も飼育している、という感じの場所となります。

前回のアースドリーム角山は、いろいろな動物がいて遊ぶところもたくさんある、典型的な「観光牧場」といった感じでしたが、こちらは遊ぶ場所とか動物とのふれあい、という要素はかなり少なめです。
また、角山とは同じ江別市内ですが、距離はかなり離れています。

トンデンファーム本社

トンデンファーム本社

メインが店舗ということもあり入場料などはなく、基本通年営業となっています。

店舗内はかなり広いところに冷蔵ケースがたくさん置かれていて、この間行ったときはシーズンオフということもあり結構開いているケースがたくさんあったのですが、品数は豊富でおそらくこれが多客期にはケースに所狭しと商品が並ぶんだろうな、という気がしました。

もともとここの食肉製品はギフト用として大型店でもお歳暮コーナーなどでも定番として並んでいるものなので、お値段は決して安いとはいえませんが、それでもこのクラスのものとしては高いという水準でもなくむしろお手頃価格と言ってもいいかもしれません。

店内の写真は撮影していないのでここでは紹介できませんが、見ているだけでも結構楽しくなる程度の品ぞろえはこの時期でも十分にあったので、もう少しシーズンに入ってからまた見に行きたいものです。

 

そして、ここのショップには、とってもすばらしいものがありました。
そう、「ヤギのぬいぐるみ(小)」があるのです。

めったにこういうところにはないものなので、それだけでテンション上がってしまいました。
(にもかかわらず買ってこなかったことを後悔しましたが)

また、トンデンファーム製品以外にも道内の(特に近郊地域の)名産品も結構品ぞろえしていました。
が、スーパーなどではあまり見かけないような品も多く、印象としては農村部の道の駅やAコープみたいな品ぞろえ、という印象です。
おそらくそちらからの仕入れルートでもあるのでしょうかね。

 

そして、同じ建物の中には野菜などの販売をしている棟があります。
ここは、地元産の野菜果物をメインに他の地域の青果品もあり、正直鮮度はちょっと落ちてる気はしましたが、品ぞろえがとっても良くてさらにどれも信じられないくらい安いです。

また、いわゆる観光地の売店的な品ぞろえもあって、観光客の子供向けのおもちゃやお菓子なども豊富にあり、また日常使いのカップめんなどの加工食品も案外充実していました。
ここは周囲には農家が点在しているだけの郊外なので、すぐ近くにはコンビニも何もないので、周辺の雑貨屋としても機能しているように見えました。

 

また入口入ってすぐのところには、この時はシートがかかって使われていませんでしたが、大きなグリルっぽいものが置かれていました。
どうやら多客期にはここで焼きソーセージなどをこの場で焼いて販売するコーナーになるようです。
ここも含めてぜひともそういう時期にもう一度来てみたい、と思いました。

そしてその傍らに、ニンジンの入った小さなバケツと小銭を入れる募金箱のようなものが置いてあります。
ここで箱に100円を入れるとそこにあるニンジンを動物たちにあげることができる、という仕組みになっているようです。

 

じゃあ肝心の動物は、というと、確認できたのはヤギ、ウサギ、馬だけでした。
しかも、基本的に皆小屋の中に入っていました。
ですが他のところにも動物のスペースらしき草地や牧柵などがあり今は何もいなかったように見えたので、もう少し暖かくならないと開放しない場所、公開しない動物というものもいるのかもしれません。

(未確認です)

トンデンファームの馬

トンデンファームの馬

トンデンファームのウサギ

トンデンファームのウサギ

トンデンファームのヤギ

トンデンファームのヤギ

ここのエサは先ほども書いたように、ニンジンです。
しかも結構大きいサイズで本数もそれなりにあるので、かなりあげ甲斐があります。
ヤギについてだけ言うと、小屋は結構しっかりした作りでそれなりにきれいです。
また、敷草も新しいものがふんだんに入っていて、しっかりと手入れがされているように見えました。

ですが、冬の北海道という事情を考えるとやむを得ないところなのでしょうが、もしかしてエサに偏りがあるのではないか、という気がしました。
というのも、ニンジンを見せると皆がものすごい勢いで走ってくるんです。
よこせーよこせー とばかりに鼻息も荒くカオを突き出してきます。
ニンジンを持っていなくても、手についているニンジンのにおいに反応して手をなめてきます。

とはいえ、別に元気がないとか発育不良を起こしているという感じも全くなかったので、必要な栄養はしっかりととれていることと思います。
ヤギは美食家、ということを考えるとまあ仕方がないのかな、という気がしました。

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

ニンジンに夢中なヤギ

このこともあって、ここはヤギとの距離感がとても近く感じられました。
行ったときは時間も遅かったのであまり長居はしませんでしたが、これ何時間でもいられそうです。

ところでニンジンを真上に向けて掲げるとヤギがニンジン食べようと首を伸ばすのでこうなります。

ヤギ伸ばしチャレンジ

ヤギ伸ばしチャレンジ

ヤギってこんなに伸びるんですね。

 

札幌市内からの距離もそれほど離れておらず(近いとはいいがたいですが)、安価にヤギと戯れることができるという点ではとっても素晴らしい場所だと感じました。
高速のインターチェンジも近い場所にあるので札幌以外からも行きやすい場所というのもいいですね。
路線名でいうと、道々110号 江別インター線に面していて大きな看板が出ているので、この道路に入ることができればすぐわかると思います。
インターから江別市街方面に向かっていって左側になります。



 

というわけで今日は「トンデンファーム本社」の紹介でした。

ヤギの言葉

ことわざや慣用句、小噺などには、動物を使ったものが数多くあります。
馬の耳に念仏とか、猫の手も借りたい、とかですね。

日本ではあまりなじみがないのですが、世界にはヤギに関することわざや小噺などが実は結構あるようなんです。
今日はこれをいくつか紹介しようと思います。

 

1.get someone’s goat

まずは英国由来の英語の慣用句「get someone’s goat」です。
これは「いらだたせる」という意味で、「He gets my goat」→あいつにはイライラさせられる のように使うのだそうです。

なんでも競馬に由来する言葉なんだそうです。
競馬馬がレース前日になるとイライラして落ち着きがなくなることが多かったため、レースの前日になると厩舎にヤギを入れて、馬とヤギが一緒になるようにしたのだそうです。
そうすると、馬が落ち着きを取り戻し翌日のレースがうまくいく、ということでこのようなことが多く行われていたのだそうです。

 

ところが、ライバルの馬主にとっては、強敵になる馬の調子を少しでも落としたい、と考えるわけで、ライバル厩舎からヤギを連れ去ってしまう、なんてことが多発したんだそうです。
そうすると、結局ヤギを失った馬はイライラして結局レースでもいい結果が残せなくなる、ということらしいです。
そのため「gets my goat」→ヤギを取られる→イライラする ということで、このような言い回しができたんだそうです。

それにしても、ヤギにこのような効果があるとは驚きですよね。
それにそのことが広く知られていて、妨害工作としてもヤギが重要視されていたなんて。
やっぱり馬にとってもヤギは安らげる存在だったんでしょうかね。
ヤギってやっぱりすごいんだなあ、と思わされるお話ですね。

なんとなくいらつく(本文と画像は関係ありません)

なんとなくいらつく(本文と画像は関係ありません)



 

2.ヤギをひき殺してしまった

続いては、旧東ドイツの小噺です。

東ドイツの政治家でウルブリヒトという人物がいました。
この人物は、白くて長いひげを伸ばしている風貌から「ヤギ」と呼ばれていたのだそうです。
当時の東ドイツにおいては、一握りの政治家などが幅を利かせている状況を疎ましく思っている人が多く、それに対してのブラックジョークなどが数多く存在したという前提で以下のお話は読んでみてください。

ある日、このウルブリヒトの乗用車が田舎道を走っていると、ヤギを轢き殺してしまいました。
そこでウルブリヒトは運転手に「ヤギの飼い主を探し出して謝罪するように」と命じました。
しばらくすると、運転手が持ちきれないほどたくさんの贈り物を抱えて戻ってきました。

ウルブリヒトは運転手に尋ねます。
「この贈り物の山はどうしたんだね?」と。
すると運転手はこう答えました。

「私はただ、『自分はウルブリヒトの所の者で、ヤギが死んでしまった』と話しただけなんです」

似たような小噺はロシアや旧ソ連でもよく聞くますよね。

ヴァルター・ウルブリヒト

ヴァルター・ウルブリヒト



 

3.ヤギと椅子

次も東ドイツの小噺です。

まず、前提として知っておかないといけない単語が2つあります。
ドイツ語で「meckern」という単語は「ヤギが鳴く」という意味なのだそうです。
そしてこの単語には「不平を言う」という隠語的な意味もあるのだそうです。

続いて「sitzen」という単語は「座る」という意味なんだそうです。
これも隠語的な意味として「牢屋に入る」という意味があるのだそうです。
これを前提として以下を読んでみてください。

 

小噺はこのような感じです。

「東ドイツの国旗に描かれる絵が一新されてヤギと椅子になった」

つまりは、不平を言うと牢屋に入れられるぞ、というブラックジョークなわけです。

当時の現地の生活状況というのがどういうものだったのか、日本に住んでいると知ることはできませんが、これがおとぎ話でもなくまだ30年ちょっと前までこのような国が存在したということが信じられないくらいです。

それよりも「鳴く」という動詞がヤギ用に特別なものが用意されている時点で日本人には驚きです。
本当にヤギというのが身近な存在なんだと思いますね。

東ドイツ国旗

東ドイツ国旗



 

4.ヤギには前から近づくな

続いては、ユダヤの格言です。

ヤギには前から近づくな。
馬には後から近づくな。
愚か者にはどの角度からも近づくな。

ストレートすぎますね。
馬は後ろに回るとものすごい脚力で蹴られて大変なことになるのはよく知られているかと思います。
馬の後ろに回るなというのは乗馬体験などでもかならず言われることだと思いますし、日本でもこれはよく言われることですよね。

 

ヤギの場合は、攻撃手段はほぼ頭突きのみです。
攻撃だけじゃなくじゃれるつもりでも頭突き。
何かを訴えかけたいときも頭突き。
しかもヤギの突進力は強くアタマも固く、ツノもあるため、ヤギの本気の頭突きはかなり危険なわけですが、日本ではあまり知られていないです。
多分ヤギの飼育経験のある人や研究や、あるいはゴートシミュレーター経験者くらいしか知らないかもしれませんね。

ヤギの頭突きの威力

 

5.ヤギをいくら洗ったとしても、ヤギの臭いはそのまま

次はエチオピアのことわざです。

「ヤギをいくら洗ったとしても、ヤギの臭いはそのまま」
ヤギって他の草食の大型動物と比べるとニオイキツイイメージってあまりないんですけど、発情期のオスは尿を体中にこすりつける習性があります。
これはメスに対して男アピールをするためだといわれています。
この時期のオスヤギはかなり臭いのだそうです。

 

ですがこのことわざはどうやらヤギについていっているのではなく、
人のことを他人が変えようとしても、変えられるものではない
という意味なんだそうです。

日本語で言えば「バカは詩ななきゃなおらない」というのと同じような感じかもしれませんが、もしかするともっと深く「他人の性質というものをかんたんに変えられるほど人の力というものは大したものではないんだよ」という意味なのかもしれませんよね。
直訳するだけだとその真意はわかりません。
翻訳っていうのはこういったことまで含め、他言語圏の人たちの生活や習慣、思考法なども理解したうえでないと正しく行うことはできない本当に大変なことなんだ、っていう教訓がここからうかがうことができる気がしました。



 

6.ヤギのキンタマ

次はコンゴ民主共和国の慣用句です。

日本においてアフリカの国というのはとてもなじみが薄く、国名も知らないことが多いです。
このコンゴ民主共和国は、1997年までザイールを名乗っていて、隣国にコンゴ共和国があります。
さらに日本では社会科の教科書にも「ザイールは銅の産出量が多くそのほかの鉱物資源も豊富な地下資源産出国である」と書かれていることが多かったため、いまでもザイールといわないと通じない人が多いかもしれません。

長期の独裁政権時代やこの鉱物資源をめぐる利権争いや民族紛争などによる内戦が続いていたこともあり政情不安な国でもあります。
最近ではエボラ出血熱の大流行などもあり、生活が不安定な人の多い国です。
隣国コンゴ共和国との区別がつきにくいため日本ではしばしば「コンゴ(旧ザイール)」や「DRコンゴ」と表記されることが多いようです。

 
さてこのDRコンゴでは次のようなヤギにまつわる慣用句があります。
ヤギのキンタマ

これはなんでしょう。
日本でもタヌキのキンタマ=大きいもののたとえ、大きなものが揺れるたとえとして使われてはいますよね。
これも似たようなものなのですが、ちょっと意味が違います。
ヤギのキンタマもなかなかに大きなもののようです。
私もまじまじと見たことがあるわけではないですが、遠目に見ても立派に自己主張しているくらいの大きさはありますね。

そんな大きなものですから日本のタヌキの例えのように、歩くたびにユサユサと前後にとても大きく揺れます。
そこから転じて
人の運命も良くなったり悪くなったりと順番にやってくるものだ
という意味合いを持つようになったのだそうです。

 

民族紛争が起きるということは、大勢力の民族が複数存在するということで、つまりは文化も習慣も言葉の使い方も地域によって大きく違うだろうということでもあります。
つまりはこれもDRコンゴ全域で等しく使われている言葉、ということではないのだとは思います。
日本のように方言的な差異はあれど大きくは全国一律の文化性を持つ、ということは外国では面積や人口が少ない国であっても決して常識ではないわけです。

日本に住んでいるとついつい忘れがちな国内での多様性というものを思い出させてくれる言葉でした。

 

ちなみにヤギのキンタマは食用としても珍味として知られています。
国内でも沖縄地方のヤギ食文化のある地域では、珍味として出てくることがあるようです。

ヤギのキンタマ

ヤギのキンタマ



 

7.説得のヤギ

次で今日は最後にしましょう。
最後はまたユダヤの慣用句です。

ユダヤ社会では交渉や説得をするときのやり方に「ヤギ」といわれる方法があるというのです。

これは、はじめにどんどん相手にとって悪い状況となる提案を出し続け、最後にスタート地点に戻すことで、相手は状況が好転したと思ってそれを受け入れやすくなる、というものです。

たとえば職場で、人が少ないと訴えている部署があるとして、増員する余地がないときに

部署長「人が足りなくて困る
上司「全体足りないんだ、あと1人ヨソに回してくれ
部署長「もっと足りなくて困る
上司「さらに全体で困ってる、さらに1人出してくれ
部署長「もうどうもならんよこれじゃ
上司「よそに回した人員返すわ
部署長「仕事が回るようになりました

こんな感じです。
スタート地点に戻っただけなのに状況が改善した、と思ってしまうわけです。
もちろんこうなるには、人が少ないときに部署で色々やりくりをしていく中で、省力化などの努力もあうことでしょう。
つまりは、こうしたことも含めて見越して上司がこのような戦術をとるのは、腹黒いともいいますが一枚上手だといえるでしょう。

このような説得のしかたをユダヤではヤギというのだそうです。

これはユダヤ教の聖職者(ラビといいます)の使用する説法の本にも書かれているそうで、もともとはユダヤの昔の民話に由来するお話なんだそうです。
村人がラビに相談した時の逸話が元なんだとか。

 村人「家の中が狭くて困ってるんだ なんとかならんかね
 ラビ「家の中にニワトリを入れなさい
 村人「家がもっと狭くなっちまったよ
 ラビ「じゃあ次に家にヤギを入れなさい
 村人「足の踏み場もなくなったよ、どうすりゃいいんだ
 ラビ「ならニワトリとヤギを家から出しなさい
 村人「家の中が快適になったよ ありがとうごぜえますだ

このようなものなんだそうです。

ちょっと中身が違いますが、契約や売買をするときに最初にこっちの予算よりも安い値段を提示して、そこから少しずつ相手の希望額に近づけていって、結局はこっちの予算よりも安い値段でも相手が納得する、なんてのもよくありますがこれも人間心理としては同じ心理を利用しているのかもしれません。

価格交渉

価格交渉

ことわざや言い回しなどというのは、地域性があり一見するとよその地域の人が見ると理解不能なものがよくありますが、実は言っていることは普遍的な物だったりします。
その背景にある文化的な違いなどを見るのはなかなかに面白いものですね。

というわけで今日は、ヤギの言葉についてでした。

ヤギを縛る

世の中にはいろいろなスポーツがあります。
以前紹介したブズカシなんかはちょっと衝撃的なうえ日本人の感覚だと理解しがたいものがありましたが、これほど衝撃的ではないもののやはり日本人の感覚では理解しがたいものを見つけました。

goat tying

goat tying

カウボーイスタイルの女性がヤギを持ち上げようとしています。
いったいこれはなにをしているんでしょう。
これはアメリカロデオの一種の「Goat tying」とよばれる競技なんです。

いわゆるプロのロデオでは行われておらず、主にこどもや学生など若者向けのアマチュアのロデオ大会で開かれている競技なんだそうで、特に女性ライダーの競技とされることが多いのだそうです。

 

ルールとしては、プレイヤーはゲートで仕切られたスタート位置に馬に乗り、1.2mほどの長さの紐をもって待機して、スタートと同時にゲートが開き30mほど離れた地点まで走ります。
そこには棒に結ばれた3mほどの長さの紐でつながれた子ヤギがいます。
プレイヤーは馬に乗ったままヤギに近づきます。
ヤギの近くまで来たらそこで馬を降ります。このとき、走っている馬から飛び降りるようにして降りることが多いようです。

降りたらヤギのところへ走り、ヤギをおさえつけたままひっくり返してヤギの足のうち3本を紐で縛って結びます。
結んだらヤギから訳1メートルほど離れて手を挙げることで審判はスタートからの時間を計測するとともに、そこから6秒待ちます。

もし、6秒のあいだにヤギの3本の足の紐がほどけれなければ終了となります。
もし、紐がほどけた場合や、馬でヤギが棒につながれている紐を紐をまたいでいた場合にはペナルティとして10秒が加算されます。
その他にもペナルティが加算されるケースがあるようです。

そして、最終的なタイムが一番早かった人の優勝、というルールなんだそうです。

 

言葉で言ってもわかりにくそうなので実際の競技の様子をご覧ください。

はっきりいって日本人の感覚では何がしたいのか全く分かりませんね。

 

このほかにも、ロデオの世界にはこのようなものがあるようです。

これはBreakaway Ropingといわれる競技とRibbon Ropingといわれる競技です。
簡単に言うと、馬に乗った人が走る子牛に投げ縄を投げて、縄を巻き付ける競技です。
正確なところはわかりませんが、どうやらBreakaway Ropingは縄を単純に巻き付けるだけの競技のようです。
子牛に縄が巻き付いたときに馬を止めることで、馬の鞍に結んでいる縄が外れるようになっていて、外れるまでのタイムを競うようです。

Ribbon Ropingは、縄を巻き付けた後に牛についているリボンをとってゴールまで競技者が戻ってくるまでのタイムを競う、というもののようです。競技者は馬に乗った人のほかにもう一人徒歩の人がいて、リボンをとってゴールへ向かうのはこの徒歩の人の役目なんだそうです。

 

また、Mutton bustingというものもあるそうです。

これは、一般にロデオと言って連想する、馬にしがみついて走る、というものをそっくりそのまま羊に置き換えたもののようです。
特に小さな子供が参加するようですが、なんと「動物への親切や尊敬を促進しない」という理由で一部の地方では禁止されているんだとか。
日本人の感覚だと、ほかのロデオもまったく「動物への親切や尊敬を促進しない」という点では同じじゃないか、という気しかしないんですけどね。

 

このように、ロデオというのは「動物を押さえつける」「動物を拘束する」という方向性の技能を競うもののようです。

日本人的感覚だと、なぜこんなことをするのかは全く理解できないと思います。
ですが、広大な敷地の牧場で、多くの動物を飼育し、それを統率し逃げないようにし、かつ盗まれたり食べられたりしないように管理もしなくてはいけない、というアメリカのカウボーイ的な生活を考えると見方は変わってくるのではないでしょうか。

つまり、馬などを乗りこなすのは生活の一部なわけです。
馬から投げ縄を投げたり、馬から飛び降りてすぐに目標まで走ることも、動物にしがみついて振り落とされないようにすることも、すべて生活のために必要なことなわけです。

 

山岳地帯だと、木を切る速さや木に登る速さを競う競技などがあったりしますよね。
これもそれと同じものなんじゃないかって思います。
生活に必要な能力を競い、村のなかでの序列を決めるというのは古今東西どこででも行われてきたことだと思います。

でも、実際そのような生活と関係のない都市部の子供たちが、はたしてこれをやることに、そのような意味が今でも残っているのかという点では疑問はあると思います。
やってる人たちにしても、おそらくそのような歴史的背景など理解しないでやっていることがほとんどなのではないでしょうか。

 

ですが、再三言っていることですが、このような地域的な生活習慣などから生まれた行事や競技というのが文化というものなのです。
日本にしても、神事として始まったものが由来の祭りなどたくさんありますよね。

田縣神社(たがたじんじゃ)豊年祭

こんなのもそうですし、元をたどれば相撲だってそうです。
同じ文化性を持っている人以外にとっては、たいていこのような物はすべて理解不能なんです。

もちろん、動物愛護の点でどうなのか、という論点はあると思います。
また、競技者にとっての安全性という論点もあるでしょう。
それについての非難というのはあってしかるべきかと思います。

 

文化と動物愛護、どちらが優先するのか?
難しい問題です。
どこかで折り合いをつけるしかないんじゃないかっていう気がします。
その折り合いをつけるライン、というのがその国(というよりも地方)の文化ってものじゃないかって思います。

だから、そのラインをどこにひくかも、地方によって違うのは仕方がないことのように思えます。
(もちろん、前にも言った通り、そのことが他の地域にも影響を及ぼす問題でない限りですが)

ですので、批判するのは良いですけど、脊髄反射的に批判するのではなく、「このようなものがこのような背景で存在する」ということを認めることくらいは、まずしたほうがよいのではないでしょか。
そのためにも、自分の文化が唯一絶対である、とは考えない方がいいと思うんです。
それを理解したうえで「自分はこの文化に生きている」という自認をし、その範囲内で自分なりの判断ができればそれでいいのだと思います。

 

というわけで、今日は「Goat tying」のお話でした。