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ヤギの木です。
もちろんヤギが実ってるわけではなく、木にヤギが登ってるわけです。
ヤギは高いところが好きで、不安定な狭い足場でも平気で登っていく、というのは前にもご紹介しましたけど、このように木にも登ってしまうのです。
この写真はモロッコのアルガンという木の写真だそうです。
そして、このアルガンという木はアカテツ科というものに属する広葉樹なんだそうで、アルガンノキ属に属するのはこの種のみという、生物的にはとても独自性の高い品種なんだそうです。
そんなものですから生息地も決して広いものではなく、日本ではなじみのない木ではないかと思いますが、そこからとれる実は、それなりに知名度のあるものだったりします。
実そのものが知名度が高いというのではなく、この実の「種」を使って作ることのできるオイルが広く使われていて、「アルガンオイル」というのはこの種から作られたものなんだそうです。
アルガンオイルは、食用・薬用・化粧用とモロッコでは広く使われてきた歴史があって、今では世界中でとくに化粧品として使われているようです。
なんでも、人の肌に使用すると保湿性が高く、油脂分の分泌を抑えて弾力が増す、という特性があるのだそうです。
そのため、アルガンオイルを使った化粧品というのは多く売られています。
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冒頭のヤギの木はこのアルガンの木なわけですが、これにも面白い経緯があるそうです。
もともと、アルガンの木はモロッコに自生していて、この実を採取して現地の人たちは使用していたそうです。
でも、最初にも述べた通り、あまり多くは存在しない種のため、国際機関からも保護のためにも栽培をして実を活用するように推奨されていたといいます。
そして、アルガンの実を売ってある程度のお金を手に入れた現地の人たちは、次にもっとてっとりばやく儲けられるようにとヤギを飼育するようになったとのことです。
ところが、なんとヤギが勝手に木に登って葉や実を食べてしまいました。
前にも紹介したように、ヤギはとにかく食べられるものは徹底的に食べてしまうため、葉っぱも枯れて木自体が枯れてしまう、なんてことになり、現地の人たちはとても困り果てたのだそうです。
もともと、ヤギ自体はもともと現地になじみのある生き物で、ヤギがアルガンに上る、というのはそれまでも知られていた習性なんだそうですが、ヤギが増えたために問題になってしまったんでしょうね。
ところが、木の下におちているヤギのふんを見たところ、その中には食べてもそのまま消化されずに残っていた実が含まれていたのだそうです。
ヤギは木に簡単に上ってしまいますが、人間がこの木に登って種を採取するのはなかなか大変なこと。
ならば、ヤギを木に登らせておけばわざわざ木に登らなくても種が集められる、ということで、枯れない程度にヤギを木に登らせるようになった、というのです。
ヤギと人間がお互いをうまく利用しあっているんですね。
最後に、木に登るヤギの動画を貼っておきます。
今日はヤギの木、アルガンノキについてでした。