今年の干支は?ときかれたら当然「丑年」ということになります。
しかし今年はヤギ年だ、と言っている人たちがいます。
もちろんこれには理由があります。
ヤギは 生物学的に「ウシ科 ヤギ亜科 ヤギ族 ヤギ属」というものにあたるそうで、対して牛は「ウシ科 ウシ亜科 ウシ族 ウシ属」に属する動物です。
どちらもウシ科であるという理由で、今年の干支を象徴する動物として、牛のかわりにヤギをとりあげている動物園などがあるのです。
動物園などでは、よく年末に干支の引継ぎ式なるものを行うことがありますが、牛はいないがヤギはいるという施設が多いためか、昨年末の引継ぎではヤギを使ったところがあったようなのです。
「来年モー烈に」モルモットからウシ科のヤギへ 干支の引き継ぎ完了(福岡県飯塚市八木山「ピクニカ共和国」)
干支の引継ぎ式を開催しました!(福岡県北九州市小倉北区「到津の森公園」)
ほかにも牛のかわりにキリンを起用したところもあったようです。
というわけで、今年はヤギ年だなどと言っているのは、別に私のような電波なヤツだけではないということがお分かりいただけたでしょうか。
ところで、もうひとつ丑年以外にも「ヤギ年」でもよいのではないかという干支があります。
それは「未年」です。
羊は「ウシ科 ヤギ亜科 ヒツジ属」に属するので牛とヤギの距離感よりはヤギと近いです。
だからもっと適している、ということではなく実際に「未年」はヤギの年だとしている国があるのです。
もともと干支というのは、古代中国の殷の時代に始まったといわれています。
最初は日付や人の属性を表す言葉だったともいわれているようで、このころはまだ十二支に対応する動物はいなかったとのことです。
それがのちに、そこから日付や時間、方角を表すようになっていっていき、世界の成り立ちをあらわす陰陽五行思想と組み合わさることで、様々なことを表すのに用いられるようになったようです。
なぜ動物を組み合わせるようになったかについては諸説ありますが、干支を定着させるために身近な動物を当てはめた、とも言われているようです。
十二支に動物を組み合わせるようになったのは、秦の時代といわれています。
日本には、干支というのはだいたい仏教と同じ時期に伝わってきたようです。
そのときに、絵入りの書物にかかれた干支の動物を、日本にいる似たような動物や、空想上の動物と組み合わせたことにより、日本ではいまの12種類の動物と組み合わせるようになったともいわれています。
そのため、そこの過程でもともと中国で使われていた動物との食い違いが生じてしまったようなのです。
このとき、「未」には「羊」をあてた、ということのようです。
もっとも、この時代にはヤギもそうですが羊も日本では一般に知られた動物ではなく、竜同様に見たことないけどそういうのが外国にはいるらしい、くらいの半ば想像上の生き物に近い存在だったようです。
干支は漢字文化圏で広く使われるようになったため、それぞれの国で同じようにことなる動物が使われるケースが多くみられます。
そして多くの国では「未」はヤギを表すようです。
ヤギは乾燥に強く、山岳地帯などに多く生息しているため、大陸では羊よりもメジャーな生き物だったことも関係するかもしれません。
場合によっては、ヤギと羊は同じ種類の生き物だとしている国もあるようです。
そのため、タイや中国などでは未年はヤギ年を意味するのです。
他にも、タイでは「亥」をブタとしているようですし、ベトナムでは「丑」が水牛、「卯」がネコなんだそうです。
このように、「ヤギ年」は実在するのです。
ですから丑年にヤギが出てきても何ら不思議はないのです。
ということで、今年はヤギ年であることを是とする当サイトでは、6年に1度ヤギ年が出現する、ということにしています。
「未」年のニュース記事
今年の干支はヒツジ? それともヤギ?(CNN 2015.02.13)
というわけで、単なる妄想に屁理屈をならべたお話でした。